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プログラミング

Ortofon SS 200

久しぶりに甥がやって来たので、Elac BS312につなぎ替えて、JETツイーターはだなあと蘊蓄を語り聞かせていました。

 

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Elacの話はどうでもいいんですが、連休中家族を旅行に追い出して、部屋のSPを棚卸し次はどれを嫁に出すか考えていますが、2ウェイの中でOrtofon Kailas SS200 だけはどうしても手放せないんです。変わりがなかなかありません。

 

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新しい録音ではおそらくElacが、Dynaudioにさえ勝つでしょう。
でもノスタルジックな録音ではSS200が無敵の強さを見せます。Minima Vintage があるだろうと言いますが、あのSonusでは音源の古さに限界があります。

SS200は、何と言っても日本企画で樺桜を飛騨の木工職人が仕上げたエンクロージャーですから親しみが湧くし、SEASのユニットを使いながら、ネットワークのクロスオーバーが7kHzと確信犯的なことをやっています(Kailas7は3ウェイだから700Hzと3.5KHz)。その結果、音はフルレンジ並みに分厚くなり、SPUカブトムシと300Bに合わせるための小型スピーカーになってしまいました。

だから古い音源も捨てがたい私にはSS200もなかなか見捨てられません。

 

 

YAMAHA プリアンプ C-2

YAMAHA のプリアンプ C-2 はなかなか断捨離できない機械の一つです。1976年頃の発売だから、もう齢43才。もちろんオリジナルのままではいられなくて、パーツとくにコンデンサは総交換されています。

 

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Nmode Xpm-7 と組ませて、Sonus Faber Minima Vintage で鳴らすと70年代当時の学生時代が思い出されます。それぐらいプリの支配力が強い。

 

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バスドラの低音はしっかり出ているが、エレキベースの音階は甘い。華やかさは皆無で、ある程度高い音域と低い音域は蒲鉾状になっていて、70年代サウンドらしい造りです。

学生時代はサンスイの AU707G にダイヤトーンの DS32B を使ってましたから、ヤマハに対しては無味乾燥のイメージがありました。

今から見ると華やかさに欠けるほどの暗い寒色です。当時はニューミュージックで女性の歌うトーチソングが流行っていましたから、時代にぴったりだったのかもしれません。

 

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これを使いたい理由は、ヤマハオーディオメーカーではなく、楽器その中でもピアノメーカーの大手だと言うことです。ピアノの音の再生にも十分気を遣っています。実際にピアノを鳴らすと、最近のシステムと違い、嫌な音がほとんどしない。

 

正直言って、43才にもなったアンプの出すピアノの音はマイルドすぎてボケ気味です。それでも決してチック・コリアの右手がキンキンと暴れ出さない「安心感」がある。

 

 

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正直言って、C-2 が発売された数年後にバージョンアップして発売された C-2A や C-2X の方がマイルドだと言われて、欲しくなったが、今は C-2 で十分満足している。だって、これ以上マイルドになると、ロックやポップスに柔らかすぎるから。

 

※現在のヤマハ楽器のコンサートグランドピアノはスタインウェイよりずっと派手で明るくなり、ショパンコンクール決勝の常連になりました。C-2 ではヤマハピアノの奏でるモダンなサウンドには合わなくなったでしょう。あくまでも70年代サウンドに青春のノスタルジーを感じたい人向けです。

 

 

 

 

 

Eclipse TD510Mk2 との別れ

一年間家族に隠れて付き合っていた Eclipse TD510Mk2 とも結局別れました。
TD508 からの乗換組でしたが、思ったよりサイズが大きかったというのが破綻の原因です。が、それ以外にも理由はあります。

 

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TD510Mk2

 

TD508 の田舎娘的色気が気に入っていたのかも知れません。TD510 は口径がでかいからと言って、スピードは決して遅くなく、スッキリした音を出したのですが、これと言った特徴が無かったし、そういうスッキリモニター系の音と割り切るなら、Soulnote の方が良い。また Time Domain の特徴である点音源と音場感はわが居室のニアフィールド環境ではあまり生かされません。

それで TD508Mk3 に戻ったかと言うと然にあらず。LS3/5 系の Spendor S3/5R2 を買ってしまいました。新機種の Spendor Classic 3/5 の方が良かったのですが、中古で半値というのに飛び付きました。TD510 と比べると、安っぽく何も入ってないんじゃないかと言うぐらい小さくて驚きます。(サイズ16×30×19)

 

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Spendor S3/5R2

 

真空管(KT88,300B)でならすと、Harbeth の高音やProAcの低音と違った英国的な(?)美音を聞かせてくれます。重心は中域にあります。ボーカル向きですが、小編成クラシックも掛けられるし、ジャズもOKの優等生。気取らずに掛けるのに良さそうです。しかし伝統的 LS3/5 で掛けたくなるブリティッシュロックをこれで聞かないでしょうね。

LS3/5 系のモニターを発展させてこの音をだしたのが面白いと思いました。 我が家の密閉女王である Dali の限定モデル Mentor Menuet SE30 (サイズ15×25×23)と聞き比べるのが楽しみです。

 

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Dali Mentor Menuet SA30

 

本音を言うとLS3/5系のなかで Harbeth P3ESR 40th Anniversary の音を動画で聞いて以来、無印と全くちがう豊かな低音に興味がムクムクと湧いているのです。英国では ProAc ST100 よりもはるかに格上です。でも限定販売で定価が倍だし、日本では並行輸入するしかないので、諦めざるを得ません。取引先の中華商社に話をすれば、きっと動いてくれると思うんだけど、借りを作りたくないぃぃぃ・・・

 

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47研 アルニコスピーカー Model 4737

家人に空き箱の大きさを問い詰められ、すったもんだした結果、本日我が Spendor SP3/1P は嫁いで行きました。意外と大きくて隠していた Eclipse TD510Mk2 も危なくなってきたので嫁ぎ先を探しています。

その代わり、ネットワークプレイヤ Pioneer N-50AEが製造中止という噂を聞き、新規購入しました。実は一昨日秘かに届いていて火を入れました。radiko がすぐ使えて「ネットワークプレイヤって実はチューナだったのか」と遅まきながら気付きました。tune in も以前よりも簡単に使えます。AmazonSpotify も入っているし、一度入って使いにくくてすぐ止めたCD並の Deezer にも新たなアカウントで仮入会しました。非常に便利な生活を満喫しております。後は AccuRadioがあったら文句ないです。

 

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それからラジオに合わせるスピーカーはフルレンジと決まっています。Soulnote SS1.0 も良いけれど、これには47研の Model 4737 (4722のアルニコ版)が合いそうです。これで現代的チューナの完成です。

プレイヤの音質はデジタルフィルタでポップス向けに Short ポジション(立ち上がりが速い)にしましたが、昔のFMラジカセの音質よりはるかにマシです。

 

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海外のラジオ局を今は気楽に聞いていますが、ネット以前は短波受信機が必要でした。受信機用SPで最も聞きやすかったのはトリオですが名機9R-59が発売された頃、松下は時代を先取りした TA-90と言う中波、短波(12MHzまで)とFMの3バンドチューナーを発売しました。
後にBCLが流行った頃、クーガ派とスカイセンサー派に分かれて争う事がありました。私は混信まみれの海外ラジオ局でさえ、16cmモノラルダブルコーンで余裕を崩さない松下の RF-1150 が最も好きで、選択度を重んじるソニー ICF-5900 の音は好きではありません。

 

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脱線しましたが、音楽を聞く場合もワイドレンジはどうでも良くて、了解度を第一に考えています。Model 4737は普段優しくて、いざというときに俊敏に反応してくれます。
香港の Marc Audio も確かに凄いけど、4722のフルレンジ開発元である横浜の AMM も凄いんです。

Spendor SP3/1P (真空管アンプ編)

 

やっぱりBBC系スピーカーというのは、古いタイプの音だから真空管と合わせるべきだ。(SP3/1はBC1の孫世代)

 

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ディスクリートやデジアンを使って聞いても平均点しか取れなかったが、真空管アンプにすると5割の曲で立ち上がりが良くなり、なおかつ柔らかくもなり、結果的に聞きやすくなる。クラシックやボーカルだけでなく、ロックでもかなりの割合で良くなった。

 

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ただ春の夜の小音量リスニングのつもりが、どうしてもボリュームが上がってしまい家人に「うるさい」と怒られたり、ここ二、三日は暑くて熱くて仕方がない。とくにプッシュプルは馬力を入れるのに良いが、季節柄もう無理。

春の夜
うちわとビールで
真空管

これから先は梅雨冷えがあると言う噂だが、トランス式アッテネーター+シングルアンプでどこまで続けられるか。メインを張らせるより、SP3/1からS3/5サイズにスケールダウンしてセカンドスピーカーにするのも手だ。密閉式でも低音の豊かな Spendor なら聴けそうな気がする。

 

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Pre amplifier: EAR 834L
Power amplifier: Soften Model7-KT88(Gold Lion)

Spendor SP3/1P (デジタルアンプ編)

 

エッジを張り替えているため、デジタルアンプでの一週間のエイジング結果を見るため、ソースはI/OオーディオNASDACはChord Qutest, ヘッドホンでモニターするためプリにIfi Audio Pro iCan  (ディスクリートモード)、メインはNmode X-PM7を繋いでいる。評価が終われば真空管アンプにも繋ぐ。

まず、気になる「鼓童」を掛けると、やはり和太鼓はまともに鳴っていない。音が小さいし、立ち上がりが遅い。これが時間をかけてどこまで変わるか?オペラやジャズボーカル自体は問題ない。また弦楽器もオケの合奏になると聞ける。しかしソロの高音楽器は固く、エレキは刺さる。ベースはボンボン、ドラムスは小さくて聞こえない。

そんな音でエイジングしていても面白くないので、翌日、村田製作所のES105a Suono をスピーカーの上でパラにセット。これで低音の解像度が上がり、高音の潤いも戻ってくるはず。一週間リピートで聞いていると曲がここまで変わるかと驚くこともあったが、スピーカー本来の響きが戻ってきたし、低音の解像度は思ったほど上がらなかった。

 

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そこで村田と選手交代し、システムエンハンサーの一種 Taket のWhdpure を導入した。これはハイルドライバーで中低音の解像度だけ上げようとする。二曲目であれと顔を上げるほど、その効果は目に見えて上がってきた。いろいろなジャンルの曲から選び出して、毎日毎夜掛けっぱなしだから、ちょっと刺激しただけでドンドン効果は上がってくる。ジャズベース、ドラムはかなり良くなった。普通のポップス、ロックもバラードなら聞ける。しかし和太鼓だけは相変わらずだ。

 

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SP3/1Pはプロ用モニターとして売り出されたのだから、20年経っていても録音の悪いソースは聞いてられない。

おそらく半分あるいはもう少しエイジングは進んでいるのだろう。でもだいたいこのスピーカー個体の性格はわかったと思う。発売当時はもう少し低音のスピードは出ていたのだが、本体が年をとったのかエッジを変えてもかなり遅れている。クラシックの低音の雰囲気作りは上手いが、スピードのあるポップな演奏についていけない。また小音量再生がまだまだだ。

それから自分が打楽器にこだわったのは、自分の好きな楽器が弦でなく、その弦を木でぶん殴るピアノだから。それをいかに気持ちよく聞かしてくれるかも重要だった。それが実際は薄く感じられる。また19世紀末になればオーケストラの中でもパーカスの役割は大きくなる。やはり打楽器を無視して20世紀音楽は語れない。

古典派以降のクラシック全般、昔の音源も楽しめるようにしたいと思っていたが、現代音楽、戦前の音源もハードロックも難しいようだ。
そろそろ真空管アンプにエイジングの残りを任せ、どうなるか調べたい。でも真空管にしても速くなることはない。やはり古い機械には限界がある。「ProAcが欲しい欲しい病」が出そうだ。ATCやKripschよりずっと渋い。

 

 

Spendor SP3/1P

最近、英国のSpendor SP3/1P (中古、1996年発売)を導入しました。

 

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昔、CELESTION SL700 の立ち姿に一目惚れしましたが、実際に聞いてみると面白くない。その後、古い音源に合わせようとRogers LS3/5を持ちましたが、すぐ手放しました。結局自分には、密閉式が合わなかったのです。

それ以来、英国系SP全体に拒絶反応が出て、丁抹 2way SPに嵌まっていきました。モニター系の Dynaudio、ロマンチックな Ortofon、中間派の DALI です。DALIは Mentor Menuet SE だから密閉式なんだけどギリギリ許せる音です。さらに Scanspeak の同系列 Scansonic の2wayにも手を出そうとしましたが、サイズの割に低音が出すぎて制御できそうにないので、果てしなき欲望を抑えることができました。

最近レトロで落ち着いた音が欲しいと思ったときに、昔の英国SPのバスレフを思い出しました。ぱっと思いついたのは Harbeth でしたが、バスレフの Moniter30.1 は高価だしサイズが少し大きいし、音がモダン過ぎる。20年前の HL-K6 はハードドームで高音が固い。BBC系メーカーを巡り巡ってついに Spendor に行き着きました。(TannoyとKEF、B&Wはポピュラーすぎて、いまだブランド自体に拒否反応があります)

結局、Triodeの社長と同じ着地点だったのですが、それに加えて、この系統は中古市場の人気がなく値崩れしてるという点も考慮しました。実際の音は中域が強いがあまり張り出さない、かと言ってアンプが弱いと暴れて箱鳴りドンシャリにもなります。そこら辺はNmodeのデジアンで押さえ込んでいます。真空管でもおそらく良いと思います。

現在の Classic シリーズと比べると、音は古臭い。低音の緩さも仕方ありません。部屋自体がかなりデッドなので響きは抑えられていますが、その対策は考えています。最小周波数もクロスオーバーもHL-K6より高いんですが、低音は緩んでいるのでスケール感が大きくて交響曲も「粗いけど」聞けます。リア・バスレフでツイーターは Scanspeak 製(共同開発)です。しばらくロック・フュージョンはヘッドホンに任せて、こいつとアコースティック中心に遊ぼうと思います。

下に写っているのが、創業者でBBCモニターBC1開発者の Spencer Hughes です。妻で事務を切り盛りした Drothy の名前と組み合わせ、Spendor と社名に名付けました。